今回は、愛用している音源についての話。iOS/iPadOSで使用できるソフトウェアシンセやサンプラーの選択肢は非常に多く、ほとんどが数千円〜1万円以下で購入できる手軽さがある。とは言っても、iPad/iPadPro本体の価格はそれなりにするし、複数の音源ソフトを組み合わせて制作を行うには、M2クラスのiPadProが必要なので最初のデバイスへの投資は20万円前後は必要になってくる。なので、最初の投資は大きいが、ソフトが低価格なことと、画像やビデオ編集、ビジネス面での書類の作成など、多用途に使えることがiPad/iPadProの大きなメリットとは思う。
iOS/iPadOS向けの音楽アプリの中で、気に入ってるものの一つがDavid Hilowitzが開発したDecent Sampler(以下DSと略)。Samplerと名前がついているが、このアプリはサンプリングするツールではなく、DSように作られた有料、無料の音源を使用して演奏するためのアプリとなる。DSは、iOS/iPadOSだけでなく、macOS版、Windows版、Linux版が提供されており、DAWのプラグインと使える。概要は以下のビデオが参考になる。
その音源は、まず一つは、このアプリのブラウザウインドウに表示される各種音源をロードする方法、もう一つは外部サイトで提供される音源データをダウンロードする方法がある。
そこでのポイントは最初にDSのサイトでアカウントを作成して、それと同じアカウントでDSアプリにログインする必要がある。まず以下のサイトでアカウントを作成し、
同じアカウントでDSアプリ上でログインすると、アプリ上から音源データをダウンロードして使用できるようなるので便利だ。
また、開発者のDavid Hilowitzを、Patronサイトで月5ドルで支援すると、毎月新しい音源が提供される。ここでも、DSサイトとアカウントを同じEメールアドレスで作成しておけば、DSアプリ上でダウンロードできるようになる。
操作画面は、楽器の種類により、コントローラー数が異なるだけで、ほぼ共通。
音源が追加されると、開発者のYouTubeチャンネルで説明されるので、チャンネル登録しておくといい。
DSは、単体でも演奏可能だが、 音楽制作時にはAUMやLoopyProなどのAUv3プラグインとして使用する。ファーストアルバムの「under the breath」は、DSのロシア圏の民族楽器ドムラのサンプリングで演奏している(以下参照)。
各種シンセや民族楽器、パーカッションなどサンプリング音楽も豊富で、なんとなく演奏してもその音色からインスパイアされることも多い。弱点があるとすると、ファイル容量の大きいサンプル音源を複数AUv3プラグインとして長時間使用した時に安定性を欠くことがあるので、ライブでの用途には向かないかもしれない。演奏をDAWやLoppyProに録音してしまったほうがいいだろう。
無料、低価格で豊富な音源にアクセスでき、またコミュニティも活発なこともこのアプリの魅力になっている。