Ear Has No Lid

iPad Pro + AUM + LoopyPro+α によるエクスペリメンタルミュージック プロジェクト

5. Lament - 悲歌、声なき嘆きの歌声の音楽

部屋には自分のものではないけれど古いアップライトピアノがあって、時折それを弾きながらiPhoneで録音している。冒頭から繰り返されるこの曲のピアノの音はそうして録音されたものから2つのパートをカットアップしたもの。

そのハーモニーにダークなところがあり、その2つのピアノをループにしたものをタイミングをずらしてAUM上で繰り返し再生し、それを聴きながら他の音を加えていく。低音のドローンサウンドはシンセアプリのDRCで制作したものをサンプリング。後半の遠くからの叫び声のようなサウンドは、Decent SamplerのDecentronのオースストラ音をMIDI-MPEキーボード設定で弾いている。MPEなので弦楽器のような滑らかなグリッサンドが得られている。

ピアノ音は、通常のものとfrekvensでエフェクト処理したものの2系統を用意。各チャンネルにはImaginandoのデジタルディレイのDLYMを加えて、ノイズっぽいディレイ処理を追加。各ループの再生や音量、エフェクト処理の度合いは、LKのMIDIコントローラー上に設定して、曲を演奏しながら調整していく。

この曲の各パートのバランスは微妙で、演奏する度にかなり曲の表情が異なる。最初の演奏バージョンはもっと後半の叫び声のようなメロトロンが大きくドラマ性が強いものだった。それが悪いわけではないが、プレイバックを何度か聴くと、作為的で過剰なように感じてしまい、もっと遠くから聴こえてくる嘆きの歌声がこだまするようなものに演奏し直している。個人的な心情が一番強く出ている曲かもしれない。

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