シングル「1963」をbandcamp.comで先行リリースしたのでその話を。この曲は承認され次第、AppleMusic, Spotify, YouTube Musicのプラットフォームでも配信予定。
1963
この作品はこれまでのアンビエント、ドローンタイプではなく、ちょっと懐かしい80年代テクノ、ディスコのテイスト。そうなったのは、リズムマシンにTR−909のエミュレータを使用したせいかもしれない。
全体はLoppy Proに基本となる演奏をサンプリングしたものを並べていき、それに追加したり削除したりして作り上げていく。ある程度まとまったところで、LoppyProのエディタ上で演奏用のインターフェースを作成し、実際にいろんなパターンで曲の演奏を試していく。
曲の流れが固まってきたら、シーケンス画面に各ループを配置して何度か再生して調整していく。シーケンスに並べたから曲が固定化するかは設定次第で、あえて昔のカセットの4トラックレコーダーのようなラフな雰囲気を残したかったので、あまり凝ってことはしていない
最初は漠然と、語り声がある音楽を考えていて、いくつかのパブリックドメインになっているスピーチを検索して聞いていく中で、ケネディ大統領の有名な1963年のベルリンでの演説を聴き、その中で語られる言葉が60年以上の時間を超えて今の時代にエコーしているように感じた。
Freedom has many difficulties
And democracy is not perfect,
but we have never had to put a wall up to keep our people in
自由主義には多くの困難が伴い
民主主義は不完全なものである
しかし、人々を閉じ込めるために壁を作ったりはしない
There was a hope
もう一曲の小品、「There was a hope」は、アップライトピアノでの短い演奏をiPhoneで録音したデータをAUMに取り込んで、カセットテープのエミュレータで意図的にローファイ処理加えたもの。
このデータをさらにSamplr アプリに渡して、逆回転や部分のみの演奏を追加している。
Samplrは、個性的で慣れるのに時間がかかりそうなアプリだけど、音質を含めその効果はハードウェアのサンプラーとは違う魅力がある。
カバーイメージも自主制作。楽曲はbandcamp.comで視聴したり、ダウンロード購入が可能。